機械工具商社で多い退職理由6選:転職先の実態や就活時には見えない実態を紹介

機械商社 営業
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 こんにちは。機械工具商社で勤めるマークです。新卒で入社してからなんだかんだ10年近くいるので、多くの退職される方々の話を聞いてきました。そこで就活や転職活動で機械商社を受けている、内定をもらっている方々のイメージとのギャップをなくすため、どのような退職理由が多かったかをまとめたいと思います。もちろん志望動機も人それぞれですが、入社してからの実態がわかった上での退職理由に焦点を絞って紹介したいと思います。それぞれの理由で退職した人がどのようなところに転職したかも記載しています。

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機械商社でのやりがいやしんどいと思うこと、身に付くスキル

本記事では機械商社から退職していった1~10年目ぐらいの方の退職理由を紹介します。会社に話した建前上の理由ではなく、実際に本人から聞いたリアルな気持ちをまとめます。機械商社がきついとかしんどいとか思ったことや、感じたやりがいに関しては下記記事にまとめています。

また幅広い業界への転職でも使える機械商社で身に付くスキルは下記記事にまとめています。

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社内の人間関係

上司との人間関係、パワハラ

 これはどの会社でもそうかもしれませんが、上司との人間関係で辞める人が最も多いです。商社であれば主に営業で数字の結果が求められるため成果がわかりやすいです。初めから成果が出せる人はいないにも関わらず、入ったばかりの新人や転職者にマウントをとってしまう人も残念ながら一定数いることは事実です。特に上司もノルマを持ちながら部下を指導するプレイングマネージャー体制をとっているところが多く、上司もノルマに対して頑張っている分、部下にも厳しい方が多い印象です。営業はお客様など社外で気を遣ってる分、社内に発散してしまうのかもしれませんが、そのような迷惑上司がいることも事実です。
 また商社という業態自体、昨今にできた業態ではないため、昔からいる人も多いです。その人たちは自分が若い頃厳しくされた経験から、同じように指導してしまう人が多いことも事実です。厳しすぎる指導は時代錯誤であると浸透してきてはいますが、まだそのような人がいることも事実です。

 しかし上記で書いたことは、どの会社でも起こり得ますし、悪い上司に当たった場合の話です。もちろんいい上司も多数います。逆に営業で自分に仕事を任されたり、一人で外回りすることも多いので、常に上司の監視下にいるわけではありません。そのためずっと干渉されるということは少ないかもしれません。上司に感しては、結局会社や人、相性によるので、ある程度運としか言いようがないかもしれません。

転職先
人間関係が原因で辞める人は、辞めることが目的なのでさまざまな業界に転職しています。転職しやすい同業界いいく人も多いです。転職先が決まってなくても、とりあえず辞めて一回ゆっくり考えるという人も多いです。

この業界の女性社員へのセクハラに関して

 商社の内部には女性は多いですが、業界自体は女性がまだまだ少ないのが現状です。最近女性営業の方も増えてきましたが、感覚的に男9:1女ぐらいのイメージです。お客さんやメーカーで関わる人も男の人、特に製造業の現場の人が多いため男社会であることは否めません。冗談のつもりでセクハラのようなことを言われることがあるのも事実です。セクハラが原因で辞める人もいると思われます。
 逆にこの業界でも社内にいる営業職(営業事務など)、特に工具商社の営業事務などは、ほぼ社内にいながらお客さんや外回り営業の問合せ対応をするので比較的女性も多く、お客さんと直接接する機会が少ないです。「業界には興味あるけど、男社会が嫌」という方は社内にいる営業職などをみてもいいかもしれません。

転職先
こちらも辞めることが目的のためさまざまな業界へ転職されています。結婚による退職も多いです。

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営業が向いていない・板挟みがしんどい。→やっぱりやりたいことにチャレンジしたい

 「機械商社はきつい?」という記事でも解説しましたが、基本的にお客さんとメーカーとの板挟みですので、精神的にしんどいことも多いです。板挟みにより「気を遣うためしんどい」、「向いてなかった」と思って辞める人も一定数います。気遣いができる人は営業成績もいいのですが、どうしても気を使いすぎてしまう人はしんどくなってしまう傾向にあります。「お客さん忙しいのに営業かけてもいいかな…」、「嫌なこと何度もお願いしにいくのがしんどいな…」などと考えてしまい、塞ぎ込んでしまう方もおられます。反面、社内との関係ではない分、担当を変えてもらったり、あまりにもひどい場合は取引を辞めてしまえることも事実です。その点は、社内に合わない人がいる場合よりはいいと思います。

転職先
 そのような方は考えた末、営業以外の職種につける全く違う業界にいくことが多いです。営業やサラリーマンを少し知ることで「営業は嫌」「やっぱり自分は○○がしたい」と強く思うので、最も多いのは公務員やプログラマー関係ですが、漫画家、料理人、フリーランス、会計士などにチャレンジする方もいました。そのような方は退職後会っても、「今思えばいい経験だった。」と営業・サラリーマンの経験も転職したことも後悔していない方が多い印象です。

扱っている商品を理解しにくい・楽しくない

 「扱っている商品が理解しにくい。」、「機械に興味がもてない、機械を売っていても面白くない」と言って辞める人もいます。このような方は、大体“商社”という観点で就活をしていて、実際に入ってみたらもっと身近な製品、理解しやすい製品を扱いやすくなったという人が多いです。実際、商談相手は技術者も多く、技術的な知識が求められることもあります。また細かい仕様のやり取りも慣れるまでに数年かかります。もし”商社”という観点で就活をしているならば、今一度取り扱う商品業界に興味を持てるかを考えてみた方が良いかもしれません。

 しかし機械商社ならではの魅力として、わかりにくい機械だからこそ提案力がものを言う部分もあります。人間関係が良いだけで受注できることはなく、要点を理解してお客さんのニーズにあった提案が必要になるため、論理的に考えることが好きな人、提案が好きな人には向いているかもしれません。

 また”ものづくり”に関わりたいという面では、様々な製造業を相手にものづくりを根幹から関われるため楽しいと感じやすいかもしれません。この点は自社の商品だけを販売するメーカーや材料や原料、食品商社などと比較しても機械商社の魅力だと思います。

転職先
 「扱っている商品が楽しくないだけで営業は別に嫌いじゃない」という人も多く、違う業界の営業職になっている人もいます。食品関係や一般消費者向け製品のメーカーなどに転職されています。


 

存在意義を感じにくい/より専門性をつけてスキルアップしたい

結果が出るまで時間がかかる何もできない無力感

 商社、さらには受注までに時間がかかる機械のため、「自分は何もできない」という無力感が襲ってきます。特に新卒で入社した方は3年以内に必ず感じることがあると思います。やはりものを作らない商社は、メーカーにもお願いして案件を動かしていかなければならず自分や自分の会社だけで価値を作りづらいため、「自分がいて意味があるのか」と疑問に思うこともあります。しかしお客さんとメーカーとチームになってプロジェクトを動かして行ったり、慣れてくるとお客さんからもメーカーからも頼られる存在になれたりすることがやりがいにもつながります。また商社で新規営業をしているとある程度どの企業に行っても営業としては通用すると思います。この辺りは向いている、向いていないがありますので、やってみなければわからない部分が多いです。

専門性・スキルアップをしたい
 上記のようにプロジェクト管理や営業としてのスキルは付くのですが、より手に職をつけたい、より専門性を高めたいと考えて転職する人も多いです。

転職先

 このような人は「やっぱり何かを作りたい」と考えて退職していく人が多いです。そのためメーカーや、SEを含めたIT系の企業に転職したり、プログラマーの勉強したりする人も多いです。私の周りのメーカーにいった人は営業として商社の経験を生かして成績が良い人が多い印象です。
 また専門性をつけるために資格を取得する人も多いです。会計士やその他、経理関係などの資格を取得する人も多いです。またまれにコンサルなどに転職する人もいます。

給与が思い通りでない

 やはり給与も関係してきます。給与面からより良い会社、自分をよく評価してくれる会社に行きたいと言って辞める人も多いです。企業にもよりますが、基本的に文系としての給与水準は製造業(メーカー)と同等か少し高いぐらいだと思います。

転職先
 これらの人は仕事自体に不満がない場合や、そもそも転職で給与を上げようと思うと今までの実績を生かすことが多いので、同じく機械商社や機械・工具メーカー(特に外資系)に転職する人が多いです。そのため同業界で少しずつ会社を変えて行ってキャリアを形成していくパターンになります。

 給与はもちろん多い方が良いかと思いますが、機械商社も様々な形態があります。仕事内容や人間関係も形態や会社によって違うため、転職してからやっぱり戻りたいと思っている人も多いです。下記「機械商社の種類」にも記載しているとおり、卸売総合型と販売店型にも別れているため、それらの違いも考えて転職することをお勧めします。販売店型で働く私の印象ですが、卸売型の大手企業に転職した人で数人、やっぱり戻りたいと言ってる人がいました。

転勤が嫌

 地域に特化した商社でなければ、転勤がつきものです。転勤は家庭環境も変えてしまうため、海外、国内に限らず転勤が嫌で辞める人も多いです。転勤は自分のキャリアアップや家族も含めて違う経験ができるので良いかとも思いますが、嫌であれば、転勤があるか、断ることができるか、断った場合どうなるかを確認しておく方が良いと思います。

転職先
もちろんその地域にしたない企業など転勤がない企業に転職する人が多いです。しかし案外、同じ地域で同業やメーカーなどに転職する方も多いです。そのような方は、家庭的にとりあえず今は転勤が嫌なので転職するけど、将来的にはまた考えようとしている人が多い印象です。

以上、こうして退職した人々を振り返ると実にたくさんの方が退職していて、さまざまな業界に転職していったと改めて思いました。終身雇用の時代でもないので、機械商社で得ることができることや将来やりたいことを考えて就活や転職を検討されてはどうかと思います。

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