初めてのJIMTOF2022の周り方 目的や生産技術や現場課題ごとの周り方やおすすめメーカーを紹介

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ついにJIMTOF2022が来週に迫りました。4年ぶりのリアル開催ということもあり、初めていかれる方も多く、非常に盛り上がることが予想されます。しかし同時に相当な混雑も予想され、会場に行ったはいいものの会場の雰囲気に呑まれて疲れ切ってしまって何も得られなかったとなることも多いJIMTOF。

今回はJIMTOFに初めて行く方向けに、過去に何度か訪問した経験から、それぞれの現段階での業務の課題や展示会での目的ごとにおすすめの効率の良い周り方を紹介します。

この記事のターゲット: 製造業で初めてJIMTOFに行かれる方、機械選定を行う方や機械商社の若手でJIMTOFに行かれる方
この記事で得られること: 普段の業務課題ごとの効率の良い周り方。マシニングセンタや旋盤、研削盤の最低限回った方が良いメーカー。機械商社の人の周り方。

JIMTOF2022のマシニングセンタメーカーの出展内容・テーマ、自動化・工程集約・EV部品対象などの注目機種はこちらの記事にまとめています。

機械の展示会を周るコツや関西の機械展示会はこちらの記事にまとめています。

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JIMTOFとは

2年に1度東京ビックサイトで開かれる日本で最も大きく、世界でも3本の指に入る工作機械の展示会です。東京ビックサイトで開かれる展示会としても最大規模です。工作機械メーカーや工具メーカーが多数出展しており、毎回開催エリアが広がっています。また前回はオンライン開催のみでしたので、今回の開催は非常に注目されています。

JIMTOF2022 第31回日本国際工作機械見本市
JIMTOF2022 第31回日本国際工作機械見本市, 工作機械およびその関連機器等の内外商取引の促進ならびに国際間の技術の交流をはかり、もって産業の発展と貿易の振興に寄与することを目的とする。2022年11月8日(火)~11月13日(日) , 東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館

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JIMTOFの見どころ

一番の見どころは、世界に誇れる日本の工作機械メーカー各社が発表する新技術です。JIMTOFでの発表を目標に新技術を開発している企業も多工作機械業界・製造業の最新トレンドを把握することができます。

また業界全体を一度に見ることができます。例えば、マシニングセンタにしても今まで知らなかったメーカーを見たり、自社で使用しているメーカーの競合を知れたりするので業界全体を見ることができます。機械だけでなく切削工具や周辺機器など工場の生産ラインで関わる製品全てを知ることができます

工作機械、切削工具、周辺機器が見れるJIMTOF

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課題ごとにおすすめの周り方

先述しましたがJIMTOFは人が多いので大混雑と相当な疲労が予想されます。ではここからは普段の業務の課題や展示会の目的に沿って、私の経験談からおすすめの周り方を紹介します。

実際に機械の導入を検討している場合

今実際に機械の導入を検討している場合のポイントを紹介します。

・検討している機械、メーカー、及び競合のブースにいく
検討している機械メーカーはもちろん、競合のブースにも行って似た機械を見てみましょう。普段なら聞きにくいこと(競合比較した場合の強み、弱みなど)も展示会ですと説明員の技術者に聞いてみましょう。具体的に質問をして、検討している機械の見学にじっくり時間をかけることをおすすめします。目的のブースがあれば最初に見ておくと、体力がある内に情報収集ができて、他の機械を見た後に戻ってくることもできます。

・実際に使うイメージをして機械の全体を見る
展示されている技術的な内容だけでなく、せっかく機械本体が置いてあるので使う時をイメージして、操作・段取り替え・メンテナンスはしやすいかなど、機械の全体を見ておくべきです。普段メーカーの営業との打合せではわからない部分を確認することが重要です。

・加工事例やどのようなユーザー、課題に対して使われているかを聞く
機械の側に置いてある加工事例サンプルもどのような製品で使われているか知るために重要です。説明員の方に「この機械は実際どのようなユーザーや製品、課題で使われることが多いですか?」などと聞くことで、自社の製品や課題に適しているかを判断することができます。自社と似たような製品で他社で実際に使われていれば、実用性の信頼が上がります。

インペラの加工事例サンプルの画像
展示機の横には難しい加工サンプルが置いてある

マシニングセンタと旋盤・研削盤のおすすめメーカー

(※大手企業や有名企業をベースに紹介しています。ここに載っている企業が全てでなく、機械や製品、課題によっても異なります。)

マシニングセンタ
部品加工や請負加工など多品種少量加工用
東1~3ホール:牧野フライス製作所、キラ・コーポレーション、日本電産マシンツール・ニデックオーケーケー、ジェイテクト、三井精機工業、芝浦機械、松浦機械製作所

東4~6,8ホール:キタムラ機械、ファナック、ヤマザキマザック、ホーコス、新日本工機、コマツNTC、ニイガタマシンテクノ、安田工業、紀和マシナリー、エンシュウ、倉敷機械、オークマ、ブラザー工業、DMG森精機

自動車部品など少品種大量生産用
東1~3ホール:メクトロン、牧野フライス製作所(マキノジェイ)、ジェイテクト
東4~6,8ホール:ファナック、豊和工業、東洋精機工業、ヤマザキマザック、コマツNTC、エンシュウ、オークマ、ブラザー工業、DMG森精機

マシニングセンタの画像
多品種の部品加工用と量産の自動車部品用ではメーカーが異なる

旋盤

主要な旋盤(6~12インチ程、複合加工機、自動化・部品加工用)
東1~3ホール:TAKISAWA、中村留精密工業、FUJI、村田機械

東4~6,8ホール:ヤマザキマザック、高松機械工業、シチズンマシナリー、ツガミ、オークマ、DMG森精機

小型・自動盤
東1~3ホール:タカハシキカイ、長谷川機械製作所、野村DS、嶋田鐵工所、エグロ、(バーフィーダー:育良精機、アルプスツール

東4~6,8ホール:シチズンマシナリー、ツガミ、スター精密

旋盤
JIMTOFでは多数のNC旋盤メーカーが出展

研削盤
平面研削盤

東1~3ホール:ナガセインテグレックス、黒田精工

東4~6,8ホール:岡本工作機械、長島精工

円筒研削盤・立型研削盤

東1~3ホール:シギヤ精機製作所、コンドウ、太陽工機

東4~6,8ホール:ツガミ、オークマ、トーヨーエイテック、岡本工作機械

機械は決まっていないが、具体的に困っている課題がある場合

普段の生産現場で具体的に困っている課題がある場合のおすすめの周り方を紹介します。

・課題や聞きたいこと、展示会で得たいゴールを事前に明確にしておく
これが最も大事なのですが、JIMTOFにいくことで何を得たいのか(ゴール)を明確にしておくと効果が出やすいです。会場は人も多く雰囲気に呑まれますので、結局行ったはいいものの課題が解決しなかった…ということも少なくありません。例えばある工程の自動化の方法やメーカーを探すことなのか、現在の機械の精度や加工速度が遅いから更新機種の最新技術を把握することなのかなど、今困っていることを明確にすることでそこに絞って情報収集できます

・小さなブースが集結している部分も含めて全体を歩いて回る
全体を歩いていると、それまで全然知らなかったメーカーや機械を不意に見つけることができます。これこそが展示会の一番のメリットです。そのため先入観で決まったブースだけをいくのではなく、ふらっと全体を見て回ってみると面白いです。

・こんなことで困っていると素直に聞く
課題が明確なのであれば、それを説明員に聞くと情報を得やすいです。説明員も基本的に相手がどのような人で何を知りたいのかがわからないため、具体的に聞いてもらえる方が答えやすいです。全く関係なさそうなブースで聞いてみても、何か別の視点からの情報が得られるため良いかも知れません。

展示会の商談の画像

新たな改善ネタを知りたい場合

特に今これと言って探さなければならないことはないけれど、何か自社の生産ラインの改善方法や違う視点の情報を探したいという場合の周り方です。

・普段使用していないメーカーのブースに行く
自社で使用しているメーカーのブースでは営業から聞く話と変わりない場合も多いので、普段使用していないようなメーカーや自社では使っていない機械のブースに行くことで新たな視点・情報を得ることができます。例えば、円筒研削盤で加工しているが、立型研削盤のブースにいってみたら同じようなサンプルワークが置いてあり、立型でも加工できると知れたりします。

・機械メーカーブースではなく、工具メーカーや周辺機器メーカーのブースにいく
機械メーカーはやはり最新機械などがメインになっていて、あまり細かい内容を展示していない場合もあります。説明員も機械の説明がメインの場合があります。工具メーカーのブース(西1,2ホール)に行くと、さまざまな普段の現場での改善案・ツールを知ることができるので、そちらに時間を咲くことがおすすめです。

トレンドを知りたい場合

業界のトレンドを知りたい場合の周り方です。

・大手メーカーのブースを全体的に見る
大手メーカーはやはりトレンドに沿って技術開発をしていて、大画面での紹介なども多いのでおすすめです。また来場者も多いので何に人が集まっているかを知ることもできます。大手メーカー数社の展示の趣旨は大体重なっていることも多いです。

JIMTOF出展の大手メーカー:

アマダ、牧野フライス、日本電産マシンツール、ジェイテクト、芝浦機械、村田機械、ファナック、ヤマザキマザック、シチズンマシナリー、三菱電機、オークマ、DMG森精機、ミツトヨ、東京精密、THK

・技術セミナーを見てみる
JIMTOFやその他の展示会でも会場内のどこかで技術セミナーを開催していることが多いです。それらはトレンドに沿って大手企業のお偉いさんや大学教授などがプレゼンしています。その技術セミナーのタイトルのラインナップを見るだけでも今どのようなことが発信されているかを把握することができます。参加する場合は事前予約制で予約が埋まることが多いので注意が必要です。

経験から考える機械商社としての効率の良い周り方

実際に何度かJIMTOFを見て回った経験から、私が考える機械商社としての効率の良い周り方を紹介します。新入社員や転職したての方、若手の方の参考になれば幸いです。

・とにかく全体を見て回る

どのような企業がどのような機械を作っているのか、会社の規模間や来場者数の雰囲気から、業界全体像を察知することができます。
・質問する
わからないことがあれば積極的に質問する。打合せでは質問しにくいことも、展示会であれば聞きやすいです。「あんまりわかってなくてすみませんが…」みたいに言うと優しく教えてくれる人がほとんど。
・ニッチな分野で独自の技術を持った周辺機メーカーを探す
大手の工作機械メーカーブースばかりでなく、さまざまな特長のある技術を持った企業を探す。バリ取りや検査、洗浄などの何か現場でよくある課題解決ができるメーカーを探しておくと今後の提案商材につながる。事前に今解決できていないお客様の課題や知りたいことを整理しておくと、具体的に質問もしやすくより情報を得やすい。

・メーカーへの挨拶まわり
面識のある人やメーカー、初めてのメーカーも含めて挨拶回りして自分の名前を打っておくことも重要です。そうすることで、わざわざ「来てくれたんだな」と相手にも覚えてもらいやすくなります。また一度やりとりしたことがあるが、疎遠になってしまった人などに改めて挨拶できるいい機会でもあります。

・トレンドを把握する
「今はこういうのが流行っていますよ」とお客さんに紹介するためにも、各社を回って業界トレンドを把握する必要があります。各社、特に大手メーカーが何をメインに主張しているかを比較することでトレンドを把握できます。その際に新技術であれば既に実績があるかを聞くことで、本当に今流行ってきているのか、注目され始めている段階なのかを把握できます。お客さんに紹介する上でも、実際にユーザーに使われて流行っているのか、開発中なのかは重要な指標です。

以上、いよいよ来週に迫ったJIMTOF2022に初めて行かれる方を対象に周り方を紹介しました。何か実りのある展示会になれば幸いです。

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