製造業向けメルマガとは?BtoB機械商社・メーカーでの作り方やネタ、実際の効果を事例・例文とともに紹介

機械商社 営業
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 昨今より多くなっているメールマガジン。訪問や面談がしにくくなった昨今ではよりwebマーケティングの一つの手法としてメルマガが価値を高めています。今回は製造業向けのBtoB企業が行うメールマーケティングは実際に効果があるのか?に関してネタや書き方を含めて紹介します。私は自社でメールマーケティングを立上げて何通も配信していました。その中で得た実際の効果や気づきをもとに解説します。私の結論としては、受注や売上に直結するわけではないがコストパフォーマンスが高いので行う価値はあるというイメージです。

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メルマガとは?

メルマガ(メールマガジン)とは、登録したユーザーに対して一斉配信を行うシステムです。安価(月額2000円程)なものから月額数万ほどのものまで多様な種類があります。昨今特に直接面談が難しくなってからは機械メーカーでも多くの企業が行っています。

通常のメールでbccで一斉配信することとの違いは下記3点です。
・開封率やクリック率を把握できる。html式のメールで配信するとこれらを把握できます。システム上で普通にメール本文を入力するだけで行えます。
・迷惑メールになりにくい。bccなどで一斉配信すると迷惑メールと判断されることも多いですが、システムで送信する場合、システムのサーバー経由で多数の送信元から送ることになるため、迷惑メールと判断されにくくなります。またメールマガジン用のアドレスを持つため、受信者から「配信停止」や「迷惑メール」の処理をされたとしても、自分のメールが届かなくなることがありません
・特定電子メール法に基づいて配信ができる。特定電子メール法には、あらかじめ送信の同意を得た者へ配信する義務や送信を拒否した者への送信禁止などのルールが定められています。通常メールは送信削除URLやリスト内で管理ができないので、厳密にはシステムを利用しなければメルマガ(販促メール)は送ってはいけないことになっています。

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メルマガの効果・メリット

実際に感じたメルマガの効果・メリットを紹介します。

クリック率や開封率がわかるため顧客動向を把握できるため営業効率が上がる。

メルマガの一番のメリットはクリック率・開封率を把握できることです。何も知らない状態から営業するよりも、クリックしたユーザーに営業をかけることで営業効率を上げることができます。また継続的に配信していると、普段はクリックしていないのに突然クリックした人などは配信情報に興味があったり、購買意欲がある段階の可能性が高いです。それら顧客の購買動向の変化を感じ取って営業することで効率の良いアプローチができます。顧客としても情報収集しているタイミングで営業をかけられると嫌に思うことも少ないので、営業アポイントも取りやすくなります。
 BtoBの業種、特に機械などの大型投資案件は、どれだけいい商品・提案でも顧客の購買や情報収集のタイミングで訪問しなければ引合に繋がらないですが、メルマガを使って良いタイミングで営業することで営業効率を上げることができます。

休眠顧客にもアプローチできる。

メルマガは、「一度名刺交換したけれども継続的に会えていない」、「過去取引はあるが、大分疎遠になってしまっている」というような休眠顧客へのアプローチに最適です。普段頻繁に会う機会がないからこそ、メルマガで定期的に自社の存在を知らせることができます。定期的に訪問するほど関係性や案件がないユーザーへのアプローチに最適です。またそのようなユーザーが、クリックなど行動に変化があったときに営業をかけることでアポイントも取りやすくなります。実際にそのタイミングで訪問すると「○○さん△△も扱ってたんやね。ちょうど困ってて…」と話が進むことも多いです。

コストパフォーマンスが高い

月額数千円〜数万円(大体2,3万までがほとんど)で、多数のユーザーにアプローチできるため他のwebマーケティング施策と比較してコストパフォーマンスが高いです。またBtoBの場合、全く新規の人にアプローチするweb広告よりも、一度は面識があるひとに対してアプローチするメルマガの方が結果に直結しやすいです。また通常の訪問営業と比較して効果を検証でき、修正もしやすいです。通常であれば、効果があるのかないのかわかりにくい上に、アプローチ数も限られます。さらに修正しようにも営業マン個人のスキル修正が必要となります。そのような検証や修正のしやすさも含めてコストパフォーマンスが高いです。

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効果を出すメルマガのために注意すること

目的を明確に。宣伝・売込ではなく、ためになる技術情報発信

メルマガでは自社製品の宣伝や売込ではなく、顧客のためになる技術情報の発信をする必要があります。売込メールは、顧客も開いてもいい気がしなく、購買タイミングでなければ冷めてしまい「配信停止」処理をしようと思われます。そのため顧客が「読んでみたい」、「クリックして資料が欲しい」と思うような、顧客の課題を解決する技術情報などを配信する必要があります。メルマガの目的は、(直接メルマガで)売上を増やすのではなく、顧客の購買タイミングを知ることです。BtoBであればあるほどメルマガだけで売上には繋がらないため、売込みではなく顧客のためになる自社だからできる技術情報の提供が求められます。

一目でわかるように読みやすくまとめる。(件名とファーストビュー)

皆さんもそうかもしれませんが、開封するかどうかは件名で決定されます。また開封したとしても一目で読み続けるか削除するかを決めます。その間3秒以内と言われています。そのためタイトルとファーストビュー(開いた時に目に入る範囲、上から約5行ほど)が非常に大切です。何のメールかわからないタイトルや、開いても長々と季節の挨拶などを記載していては、まず開いてもらえません。

アフターフォロー

先述していますが、BtoB企業でメールを見て、「さあ買おう、ポチッ」と考える人はいないためメルマガだけでは売上に直結しません。クリックユーザーなどに地道にアプローチをするアフターフォローが重要になります。結構これをしない人が多く、せっかく配信していても意味がなくなってしまうので、その辺りの営業サイドとの兼ね合いも重要です。

効果の検証をして改善していく。

メルマガやwebマーケティングのメリットに、効果を検証して改善し(PDCAを回し)やすいことがあります。クリック率や開封率で良いメールと悪いメールがわかってくるため、数をこなすごとにどのような内容が最適か判断できます。これも継続的に地道に取り組んでいくしかないため意識が必要です。

配信結果(クリック率や顧客からの反応、そのために工夫したこと)

では製造業向け、BtoBのメルマガの実際の結果やそれを踏まえた作り方、ネタを紹介します!

配信結果

配信ソフト業者調べの全体的な平均開封率は20%前後、クリック率は2~3%前後でした。私が実際に配信していた時は、平均開封率約21%、平均クリック率約7%でした。平均反応率(開封した人でクリックした人の割合)は約34%でした。開封率は業者調べの平均と似ていますが、クリック率・反応率は平均より高くできていました

またクリックだけでなく、実際に問合せまで繋げられることも多々ありました。一つのエリア(近畿圏)で顧客数も1000以下(比較的少ない方)しか配信していなかったのですが、1つのメールに対して最大4件見積依頼が来たことがありました。その際の引合率でいうと0.5%でしたが、BtoBの設備投資案件においてメールを配信するだけでそれだけ引合がくれば御の字でした。

クリック率を上げるために工夫したこと

・件名とファーストビューでシンプルに伝えることを意識
 まず開いてもらう、クリックしてもらうためにシンプルに伝えることを意識しました。開封率は平均程度でしたので件名が的をえていたのかはわかりませんが、クリック率が高いのはクリックして欲しい内容(伝えたい内容)がわかりやすいメールだったからではないかと思います。※もちろん内容にもよりますが。挨拶文などは無しでとにかく伝えたい内容をシンプルに2,3行で記載しました。

・配信頻度・時間
 配信頻度は業者調べでは1週間に2,3回送信しなければ認知されないという見解でしたが、月に1回に固定していました。頻度は多すぎると顧客側に鬱陶しいと感じられると考えたためです。BtoBということもあり日頃の営業活動でも認知度はそれなりに高められるため、配信頻度が月に1回でも顧客も配信していることを覚えてくれています。そのため頻度も間違ってはいないと思います。
 配信時間は、火曜〜木曜の昼休みや昼前後が開封率が高く出ました。昼休みはご飯を食べて席に戻ってとりあえずメールを開く、という人も多いのでみてもらいやすいのではないかと思います。


メルマガのネタ一覧

実際の私の配信結果を踏まえて、ネタを紹介します。

技術記事・基礎記事

ためになる技術情報としては、企業ブログなどで掲載するような、技術記事や「○○とは」など基礎から解説する記事がいいネタす。ユーザーでその内容で困っている人は、「読んでみたい」、「読むとメリットがある」と思われるのでメルマガのネタとしては最適です。また“自社にはこのような記事がない”“書くこと・書く人がいない”…と思われることもあるかもしれませんが、自社の商品や扱っているサービス、強みや日頃顧客に依頼・質問されることを見直すと自ずと自社だから解説できることが見えてきます。また自社では当たり前と思っていることも、知らない人にとっては価値があるので、自社の商品や強みを見直した上で、商品を売り込むのではなく、知らない人に教えてあげるような配信にすることでクリック率が上がると思われます。

最もクリック率が高かったのは中古機・展示機・短納期・在庫機情報

実は私の配信で最もクリック率が高かったのが中古機情報でした。あまり需要が少ないと思われる機械の中古機だったのですが、販促の指示が出ていたので配信してみたら思いのほかクリック率が高く驚きました。他にも短納期機、即納できる展示機などはクリック率が高かったため、たまたまではないのだと思いました。私の会社では在庫品はないのですが、在庫品の一掃セールなどもクリック率が上がり、さらに在庫品も販促できるので良いのではないかと思いました。在庫を常に持っている業者であれば、定期的(月に1度)に在庫情報を配信してもユーザーのメリットになるのではないかと思いました。

最新技術情報

他にクリック率が高かった内容は、最新技術情報です。具体的にはEV関連の設備事例や協働ロボットの事例などが特に高かったです。AIやソフトウェア系も配信していましたが、クリック率はそれらほどはなく、生産技術や製造の方向けの場合、ソフトウェアよりもメカの情報の方が直感で興味が出るのではないかと思いました。自分の仕事に直結する設備情報や事例などが一番興味を持たれるのではないかと思いました。

セミナー・展示会情報

自社で行うセミナーや展示会の案内に用いることができます。セミナーや展示会の認知向上の目的であれば効果を発揮します。またwebセミナーでしたら、メルマガで配信することにより集約することが一般的です。セミナーに参加したユーザーは自社に興味を持っていたり、購買意欲が高いことが予想されますので、商談に繋げやすいです。

新着情報

自社の新商品や新着情報の展開にも使えます。ただし新商品のようにユーザーが気になるような情報である必要があります。会社の変化など事務手続きを配信していると配信停止される可能性が高まりますので注意が必要です。

カタログ情報

カタログで基礎を解説している企業も多いです。自社のカタログをそのまま配信することも一つの方法です。中でも1、2枚の要点をまとめたチラシにして配信するとよりクリック率が上がると思われます。

現在ではYoutubeなどの動画URLを配信することも増えています。動画はイメージを持ってもらいやすいので重宝しますが、カタログと動画ではクリック率にはあまり変化はありませんでした。カタログでも内容やタイトル次第でクリック率が高いものもあり、動画でも低いものもありました。

レポート・ランキング系

普段ある業界に特化したビジネスを行なっているからこそ書けるレポートなどもネタになります。例えば、展示会を自社目線で分析したレポートや、自社HP内の閲覧数ランキングやそれに付随するレポート、売れ筋ランキングなど、顧客にとって別の視点を与えるような記事や資料も良いメルマガのネタになります。実際私は、自分の考えをまとめた展示会レポートを配信して、全く会ったことのない顧客から興味深くて面白かったと感想をいただけたこともありました。

例文

では最後に例文を紹介します。

件名:JIMTOFでの工程集約機レポート

○○株式会社
○○様

お世話になっております。○○メールマガジンです。
JIMTOF2022おける主要工作機械メーカー展示内容のレポートを配信します。
工程集約に特化した新機種・新技術をまとめています。
「レポートダウンロードはこちら」

JIMTOFの復習や最新技術の情報収集、工程集約や自動化をご検討中の方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

お問合せ先
○○

本メールの配信停止をご希望の場合は、お手数ですが下記よりお手続きよろしくお願いします。
×××

このように件名は大事な情報を先に持ってきて短くすることを意識します。また本文は、3行以内で要点をまとめて、その下にクリックできるボタンなどを配置します。そうすることで何のメールかが一目で理解でき、開封率・クリック率向上につながります。

以上、今回は製造業向けのメールマガジンに関して解説しました。低コストな上、やってみると顧客の反応がわかるので何がPRできるポイントなのかなど、マーケティングに活用できます。ぜひ一度取り組まれてはいかがでしょうか。

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